今日は特別な日。

 11時前に起きた。会社勤めをするようになって、決まった時間に起きることが体に染み付いてしまって、休日でも朝早く起きることが続いていたため、遅くに起きたことに少し感動すら覚えた。
 
 父親が、お正月用に作っていた栗きんとんを小鉢いっぱいに盛って、食べた。わたしが小さい頃から栗きんとんを好きなこともあり、毎年作る量が増えている。甘いものが食べたら今度はしょっぱいものが食べたくなって、カップ麺を食べた。
 去年から在宅勤務になった父親が昼食用に買い込んでいるカップ麺の中から丁度いいくらいの大きさのものを選んだ。久々のカップ麺は油の味しかしなかった。

 お腹がいっぱいになったら、自分へのクリスマスプレゼントとして買ったウォーキングマシンに乗る。なんとなく、今食べたものを消費しなければ、と思ってしまった。テレビは、年末らしく、過去に放送した連続ドラマを一気に流している。

 午後からは近所の薬局に買い物に出かける。買いたいと思ったものがあったから来たはずなのに、着いたら何を買ったらよかったのかすっかり忘れて、全く関係のないホットケーキミックスを買って帰宅した。

 連続ドラマの再放送を見ていたら、気づいたら寝てしまっていた。寝て起きたらまたお腹が減ったので、ダイニングテーブルに置いてあったチョコクリームパンを食べた。時間は16時半。10年前なら、母親に「もうすぐ晩御飯なのに!」って怒られただろう。大人は、もう怒られない。怒ってくれる人も、いなくなってしまった。

 父親と2人で食べる蕎麦はぶちぶち切れるし、なんか粉っぽいしあんまり美味しくなかった。けど、大晦日、と言うだけで完食できてしまうほどにはするすると食べられた。


 年末は、寂しくなる。特に、大晦日。主にテレビなどのメディアが寂しくなる雰囲気を作ってくるのだと、思う。わたしにとったら、今日は特別な事はしていない、365分の1日。それなのに、特別な日にさせられてしまっている感じがなんとも言い難い悔しさを覚える。
 
 今年も色々あった。わたしはもうすぐ23歳になる。両親がわたしを授かった頃の年齢に近づいてきた。近づいてきて初めて、特別な存在だった両親もわたしと同じ人間だったのだと気づいた。

 23年間生きて、色んな経験をして、色んなことを知って、やっと思い出したくなかったような過去も受け止められるようになってきた。来年はもっともっと自分と向き合いたいな。でも、2021年は2度と来ないで。