うんこが臭くて仕事を辞める

匂いというのは、人を幸せにもするし、気持ち良くもさせるし、不愉快にさせる事も出来る。もっと行けば、元気にする事も出来るし、体調を悪くさせる事も出来る。

 

匂いの数は、計り知れない。わたし一人でさえ、匂いを嗅いだだけ色んな思い出が想起されたり、気持ちが変わってしまったり、気分が悪くなる事があるのだから、人の数だけ同じ現象が起こっているはずだ。

匂いを快と不快だけに分けたとしても、人によって快に感じるものと不快に感じる物が異なるから、ここまでたくさんの匂いが世界には存在しているのだと思う。

 

ある人が、世界中の人が幸せになれる、と思って作った匂いだとしても、その匂いで不愉快になる人は絶対に存在する。聞いた話だと、遺伝子が近い人ほど匂いを不愉快に感じるそう。遺伝子が近い人とは、優秀な遺伝子が残せないから、匂いで判断出来る様にする為に。それって、自分が好きな匂いの人は好きになる確率が高いし、逆に自分が嫌いな匂いの人は嫌いになる確率が高い、という事だよね。

 

わたしの職場には、74歳のおじいさんがいる。経営者の旦那で、正直仕事は出来ない人。でも立場上、誰もそんな事いえないからこの年になっても引き際が分からずにいる人。わたしたちに仕事のミスの尻ぬぐいをさせる人。私たちが尻ぬぐいをしている事にも気付かない人。とても、可哀そうな人。

 

わたしの職場のトイレは男女共用のものが1つのみ。その人は、そのたったひとつしかない共用のトイレで、毎日うんこをする。

 

毎日、だ。しかも、くさい。わたしが不愉快になる匂い。体調が悪くなる匂い。仕事に支障が出る匂い。それが、毎日。毎日、毎日、うんこの匂い。

 

わたしは来年の3月末で、ここを退社する。理由は色々あるのだけど、この「におい」も少なからず、わたしが退社を決意した理由に関わっている。

だって、くさいのだから。不愉快になるのだから。気分が悪くなるのだから。毎日。

 

匂いは人の人生をも変えてしまう。